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第二回 喫緊の課題は生産性向上――その2「構造」「リズム」を考えて生産性を高める 前回書いたように、生産性向上の第一歩はムダの排除から始まるのですが、それだけが生産性を高める道ではありません。ではほかに何があるのでしょうか。筆者が共感を覚えるのは、アメリカの経営思想家ミュラータイムの考えです。コカコーラやIBMの中興期にコンサルタントとして貢献したミュラータイムは、基本的な生産性を高める要因は、「構造」と「リズム」だと指摘しています。
「構造」とは、仕事を処理するための仕組みと考えればいいでしょう。それぞれの企業には、やるべき仕事がいくつかあります。それぞれの仕事をどのような構造で処理するのかによって、生産性は違ってくるとの考えですが、ミュラータイムは次のような例をあげて説明しています。
ある生産工場は、生産工程を細分化、順番化、直線化し、長いラインでものづくり行なっていました。当時は、このやり方が一番生産性が高いとされていたのです。この工場に特別仕様の注文が入ってきたのですが、このとき、工程管理の責任者は、既存の工程ラインが乱れることをおそれて、新たなラインを新設することにしました。しかし、特別仕様の商品の発注が将来も続く保証はありません。
そこで、既存のラインの約10分の一の短いラインを作って、いくつかの工程を集約して熟練工を集めて商品づくりを行なったのです。結果、短いラインの方が平均で30%生産性が高かったといいます。短いラインの行きつく先がセル生産方式になるのですが、ここで問題にしたいのは、どの生産方式がいいということではありません。
それぞれの企業は、いまの仕事のすすめ方が、生産性が高いと考えてやっているのでしょうが、それが本当に正しいのかどうかを、今、問い直していただきたいのです。
いまひとつの、「リズム」が生産性を左右する要因だというミュラータイムの指摘は実に興味深いものがあります。
例えば、流れ作業の生産ラインでは、二三歩動いて仕事を迎え入れ、二三歩動いて仕事を送り出すと、持ち場に縛り付けられて仕事する場合よりも生産性は高まるとの実験結果があるというのです。
商品番号を何桁にすれば、インプットが早くでき、間違いが少なくなり、生産性は高まるのでしょうか。ミュラータイムは、7桁が、3と4に分けてリズムを刻んで覚えやすいのでいいと指摘しています。
いずれにしても、生産性を高める要因は、コスト削減だけではなく、いくつもあることをご理解いただきたいのです。その他の要因については次回に書きます。
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