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経営学

経営学(けいえいがく、business administration, business management)とは、広義には組織体の運営について研究する学問分野である。対象は企業組織とする場合が多いが、企業組織に限定せずあらゆる組織体(自治体・NPOなど)が経営学の対象となりうる。

狭義には、組織体の効率的・効果的な運営のための長期的視野に立った理論の構築を目的とする学問と捉えられ、その際は会計学やマーケティングなどの分野は除外される。

比較的新しい学問とされる・

日本における経営学

経営学の問題意識を明白にするためには、次の2つのことが必要となる。

  • 企業(およびそのほかの組織体)の構造と機能を貫く法則性を明らかにすること。
ドイツの経営経済学が、この法則性の追求をメインテーマにしている。
  • その法則性に基づいた、経営の実践的技法を編み出すこと。
アメリカの経営管理学が、この技法の追求をメインテーマにしている。

日本では、経営経済学、経営管理学の二つをまとめて、経営学と呼ぶ学問体系が確立している。

さまざまな経営学の定義

社会システムの中での企業の運営

経営学とは「社会システムを中心とする環境のなかで企業がいかに運営されているか」を解明する学問である。その対象は、今日において企業はわれわれにとってきわめて重要な存在であり、また、こうした企業についての経営学は基本的なものとして、その他の諸組織に容易に応用出来るので、経営学の対象は企業に限定される。広くは、企業だけでなく、官庁組織、学校その他一般に組織といわれるものすべてを含むと考えられる。

  • 洞口治夫・行本勢基『入門・経営学http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32150489』(新公認会計士試験・中小企業診断士試験対応)同友館、2008年.
  • 河合忠彦ほか『経営学』、有斐閣、1989年9月

企業を対象とする領域学

経営学とは、「企業」という特定の領域を対象とする領域学のことである。「領域学」とは、経済学・社会学・心理学などのように、特定の限られた変数群と一定の理論的枠組みとを用いて、対象世界に接近する「ディシプリン」の学問ではなく、教育学や宗教学と同じように、変数群や理論的枠組みを特定化するのではなく、むしろ対象世界を特定化して、それに対して多面的に接近する学問であることをいう。その領域学としての経営学の対象は、企業である。企業は形式的には生産の担い手であるといわれるが、生産という言葉のなかには、財・サービスをつくるという意味はもとより、新しい知識を生み出す(イノベーション:革新)という意味もまた含まれる。

  • 榊原清則『経営学入門』、日経文庫853、2002年4月
  • 体系経営全書、白桃書房
  • 中島朋夫ビジネス・マシン・シリーズ、白桃書房
  • マネジメント・ライブラリー、白桃書房
  • 日本能率協会、(経営)コンサルタントの訳語を使用し始める。

経営

経済学と経営学の違い

経済学では、各主体(個人・企業、およびそのほかの組織体)の行動が市場原理にゆだねられた場合の帰結(均衡)と、そこでの資源配分の効率性や社会的総余剰の適切さについて分析したり、社会システムの構造を物象化の機序を明らかにしつつそこに生起する論理と動態を明らかにすることに重点が置かれ、数学に近い学問である。
それに対し、経営学は、いかにすれば企業(およびそのほかの組織体)がその業績や効率性を向上させることが出来るかを明らかにしようとする(Caves, 1984年)。つまり、社会全体を見るか、一組織を見るかの違いである。

経営学的視点からの最古典としてはフレデリック・テイラーの科学的管理法がその一つと考えられる。

また、同じ「企業」を観察する場合でも、経済学では各企業が合理的な行動をとった場合にどのような状態が現出するかを考察することが多く、経営学では企業がどのような行動をとることが合理的かを考察する、などの違いがある(高崎、1986)。

以上のような学問的出発点の違いから、経営学では個々の企業間の差異が注目されるのに対し、(特に新古典派の)経済学ではその差異にはあまり注意が払われない場合が多い(Nelson, 1994)。

ただし、1980年代以降、経営学分野で経済学理論を基礎とした領域が発達したり(マイケル・ポーター、伊丹敬之(2008年-東京理科大学総合科学技術経営研究科長)が有名)、経済学でも企業・組織のメカニズムや効率性を分析する領域(企業経済学・組織の経済学など)が発達していることから、両者の違いは以前ほど明確ではなくなってきている(事実、アメリカのビジネススクールには経営学者と経済学者が混在している)。

とは言え、経営学は「領域」の学問と言われるように、社会学的手法を用いた分野(マーケティングなど)や、社会心理学的手法を用いた分野(労務管理論など)など手法横断的・学際的な発展をしており、数学を用いた社会分析に特化し続けている(「ディシプリン」としての学問)経済学とは一線を画している。最近の経営学者・経済学者には、この点を両者の相違としている者も多い。

  • R. Caves, “Economic Analysis and the Quest for Competitive Advantage,” American Economic Review, 74: 127-132, 1984.
  • R. R. Nelson, “Why Do Firms Differ, and How does It Matter?” in R. P. Rumelt, D. Schendel and D. J. Teece, ed., Fundamental Issues in Strategy, Cambridge, MA.: Harvard Business School Press, 1994.
  • 淺羽茂「競争戦略論と産業組織論の相互作用」、『学習院大学 経済論集』第29巻第1号(1992年4月)
  • 淺羽茂『経営戦略の経済学』、日本評論社、2004年9月
  • 洞口治夫「二つの社会科学の20世紀-経営学と経済学-」『社会科学研究(東京大学社会科学研究所)第50巻第1号、1998年8月.

ビジネススクールにおける代表的なコア科目

  • 科学的管理法
  • 経営戦略論
  • 経営組織論
  • コーポレート・ファイナンス(経営財務)
  • 経営経済学
  • マーケティング
  • 国際ビジネス論
  • 人的資源論
  • 会計学
  • 経営管理論
  • 経営史
  • 技術戦略論
  • 生産管理

関連項目

  • ファヨール
  • サイモン
  • 技術経営
  • 経営情報学
  • 経営工学
  • 簿記
  • 経済学
  • 商学
  • 情報システム学
  • 経営学部
  • 異文化経営学会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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